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◇149.「正常価格」と「取引価格」◇ 

不動産には、それぞれ個別性があるため、その取引は限定された当事者間で行われることが多く、その価格も個別的な事情や動機に左右されて決められることが多いものです。したがって、不動産は、必ずしもオープンな取引市場が形成されていると言えません。 そこで適正な価格を求めるために、不動産鑑定士による鑑定評価が行われています。
 鑑定評価はオープンで合理的な市場と同じ働きをし、適正な価格を求めるためのものです。
 「正常価格」とは、この鑑定評価で求める価格のうち基本となるもので、不動産鑑定評価基準では、「市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格」とされています。
 つまり、自由に参入(退出)できる市場参加者がいて、その参加者はいわゆる売り急ぎや買い進み等の特別な動機がなく、自由競争によって売買をする場合の価格ということになります。また、その参加者たちは取引を成立させるための通常の知識や情報を持っていることや、取引成立のための通常の労力や費用は費やしているものであるとの前提もあります。このほかにも鑑定評価により求める価格は、「限定価格」「特定価格」「特殊価格」といった、あまり日常ではお目にかからない価格の種類もあり、このような場合の鑑定評価も不動産鑑定士の仕事となっています。
 一方、「取引価格」は、売主・買主それぞれの主観による価格であります。不動産鑑定士による客観的な価格である「正常価格」とはやや異なります。正常価格を中心に、売主・買主いずれかの事情や動機によりどちらかにズレ、取引された結果が取引価格であり、実勢価格ともいいます。このため、正常価格と取引価格の間に差が生じるのが普通です。
 つまり、「正常価格」とは客観的な価格指標のことです。毎年、国土交通省が地域の標準的な地点(標準地)を選定し、1月1日時点の標準地の1平方メートル当たりの正常な価格を決定し公表していますが、これは、一般の人が土地取引や資産評価をするに当たって、土地の適正な価格を判断するための客観的な目安として活用されているのです。

不動産鑑定士補   伊東 良浩

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