◇157.原状回復ガイドラインについて 

原状回復ガイドライン(以下ガイドライン)とは、賃貸借契約後の敷金精算におけるトラブルが増加していることから、借主及び貸主の費用負担を裁判事例に基き、国土交通省が妥当と考えられる一般的な基準をガイドラインとして作成したものです。ガイドラインは法律ではありませんが、裁判になった場合の重要なポイントとなります。
ガイドラインでは、賃借人(借主)が通常の住まい方、使い方をしていても発生すると考えられる、経年変化、通常損耗については、復旧する義務を負わず、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損がある場合はこれを復旧する義務が発生します。しかし、賃貸借契約書に原状回復時の特約事項がある場合は原則特約が優先されますが、賃借人に不当に不利益な特約は無効となる場合があります。
上記の「通常の使用」の一般的定義は困難であるため、いくつか具体的な事例を上げてみたいと思います。
〔借主負担の具体例〕
・ 飲みこぼし等を放置したカーペットのカビ・シミ、結露を放置したことにより拡大したカビ・シミ、クーラーからの水漏れを放置した ことによる壁の腐食、台所の油汚れ、冷蔵庫下のサビ跡
・ 引越作業・キャスター付きイス等によるフローリング等の傷
・ ペットによる柱等の傷
〔貸主負担の具体例〕
・ テレビ・冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(電気ヤケ)
・ 壁に貼ったポスター等によるクロスの変色、日照など自然現象によるクロス・畳の変色、フローリングの色落ち
・ 借主所有のエアコン設置による壁のビス穴・跡
・ 下地ボードの張替が不要である程度の画鋲・ピンの穴
(以上、原状回復ガイドラインからの一部抜粋)
現在、賃貸借契約を締結されている方は、現在の契約書内容に沿った取扱いが原則ですが、契約書の条文があいまいな場合や、契約締結時に何らかの問題があるような場合は、ガイドラインが参考になります。
当社にても、アパート、マンション、貸家の退室時の立会い、敷金の精算など行っておりますので、お気軽にご相談くださいませ。

宅地建物取引主任者   堀 大吾