◇214.『成年後見制度』について 

 病気などの理由で判断能力の不十分な人は、自分で不動産や預貯金などの財産を管理したり、契約を結んだりすることが難しい場合があります。このような人を法律的に保護し、支援するための制度です。
 成年後見制度は、大きく分けると、法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。
 ◎法定後見制度 ・後見・・・ほとんど判断できない人
             ・補佐・・・判断能力が著しく不十分な人
             ・補助・・・判断能力が不十分な人
 ◎任意後見制度 本人が十分な判断能力があるうちに、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、代理権を与える契約を公正証書で結んでおくもの

 現在は、急速な高齢化により、高齢者の方の判断能力低下、認知症等の問題があります。
 不動産に関する問題で言えば、本人の病院、介護施設等の費用を捻出するために、本人の不動産を売却したいと家族が希望したとしても、本人の売買の意思確認ができなければ登記申請ができないため、売買が成立しません。
 そのようなときに、成年後見制度を利用し、本人を代理して契約などの法律行為をすることができます。後見申立人が家庭裁判所に申立てし、成年後見人等が選任されます。

 但し、後見人は本人に代わって自由に財産を売却したり、使えるわけではありません。
 特に、居住用不動産の売買は、家庭裁判所の許可が必要になります。
 居住用不動産とは、①現在居住している不動産
              ②将来居住する予定がある不動産
              ③入所入院しているがその前に住んでいた自宅
 財産は、家庭裁判所の監督下にあり、本人のための売却や支出に限られます。
 本人以外の利益のために不動産の売買代金を充てたり、売買が済んだからやめるというわけにもいきません。
 更に、家庭裁判所へは毎年収支等の報告義務があります。
                                                            
 宅地建物取引士 佐竹 直美